書評

【書評】人生100年時代に共働きしないのはリスクでしかない 『働き方2.0 VS 4.0』

橘玲さんの本が好きで、すでに何冊か読んでいるのですが、先日『働き方2.0 VS 4.0』という本を読みました。

橘玲さんとはどんな人物なのか?

橘玲さんは金融系が得意な作家さんで、「海外投資を楽しむ会」の創設メンバーでもあります。

投資や経済に関するフィクションやノンフィクションを手掛けています。

『専業主婦は2億円損をする』で世間を揺るがす

橘玲さんのスタンスは一貫して「共働きしないのはリスクでしかない」というもの。それをファクトを提示して論理的に語るのが彼のスタイル。

2017年に出版した『専業主婦は2億円損をする』という橘さんのベストセラーでは、多くのクレームが寄せられたそうです。

お怒りの理由はかなり定型化されていて 、ひとつは 「女がそんなに稼げるわけがない 」 、もうひとつは 「好きで専業主婦をやってるわけじゃない 」です 。

「女がそんなに稼げるわけない」って、これまたずいぶん失礼なクレームですね。

23歳から65歳まで、年収450万で43年間働くだけで、1億9350万です。退職金やら副業やらが加われば、余裕で2億円は超えるでしょう。

橘玲さんもこのように反論しています。

2億円というのは 、もちろん私が勝手に決めた数字ではありません 。厚生労働省所管の調査機関 、労働政策研究 ・研修機構のデ ータで 、大学 ・大学院を卒業した平均的な女性が正社員として 6 0歳まで働いたときの生涯賃金は 2億 1 8 0 0万円となっています 。この金額には退職金は含まれておらず 、いまは年金が支給される 6 5歳まで再雇用で働くのがふつうですから 、それを加えれば専業主婦になることで失う収入は 2億 5 0 0 0万円から 3億円ということになります 。

気をつけなくてはいけないのは、一旦出産を機に退職してしまうと、非正規雇用での再就職になりがち。その場合は家庭とのバランスを取りやすいものの、生涯年収の差は大きいと指摘します。

第 1子出産後に退職し 、第 2子の子育てが落ち着いてからパ ートで再就職した場合の生涯収入は 6 0 0 0万円にとどまります 。 1億 4 0 0 0万円もの差が生じる理由は 、日本では専業主婦の再就職はパ ートや非正規の仕事しかないからです 。ここからわかるのは 、専業主婦になって 2億円をドブに捨てることはもちろん 、いったん会社を辞めてパ ートで働いたとしても 、その損失はとてつもなく大きいということです 。

ワーキングマザーのほとんどは、一度は「仕事を辞めて子どもといる時間を増やした方がいいんじゃないだろうか」と悩んだことがあるはず。私ももちろん何度もあります。

そのたびに、橘玲さんの著書を思い出し、心を奮い立たせています。

海外では共働きが当たり前

私は今北欧を旅行中ですが、北欧って共働きが当たり前なんですね。昨日買い物をしたスーパーのレジ係の女性は、生後半年くらいの赤ちゃんを脇においてあやしながら仕事をしていました。

私はアジアの友人が多いのですが、多くの国では日本のように長い育休なんてものは存在せず、生後3ヶ月くらいで職場復帰します。

アメリカに住む友人もたしかそのくらいだと言ってました。長く休む=ポジションがなくなってしまうから休んでられない、とも。

自分の産後を思い出すと3ヶ月はきついよなと思いつつ、それが当たり前だという社会だと意外とやれるものなのかもしれません。

人生100年時代の働き方

リンダ・グラットン氏の『ライフ・シフト』以来、寿命が100年になる時代が来ると叫ばれ続けています。

どうやって長くなった老後を生き延びればいいのか。今までの働き方では圧倒的にお金が足りないのです。

人生 1 0 0年時代の人生設計は 、 「長く働く 、いっしょに働く 」以外にないのです 。

橘玲さん曰く、人生100年時代に対応するためには、夫婦で長く働き続けることしかないのだそうです。私もそう思います。

あとは投資ですね。ソーシャルレンディングなど、新しい効果的な投資を模索しています。

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