茶道のお稽古に行くときは必ず着物を着ていくようにしています。茶道を始めたのが「着物を着る機会がほしい」だったし、着物の方が何かと茶道の所作が意識しやすいからです。
着物は独学で着れるようになりましたが、帯結びはあえてやりませんでした。難しそうだったし、習得に時間がかかりそうだったからです。大久保先生の着付けの本はとてもわかりやすいです。
作り帯にすれば初心者でも簡単に結べるのでおすすめです。私は本を参考にして6本くらい作り帯にしました。
中途半端だけどある程度自分で着物を着ることができる私ですが、このたび自治体主催の着付け教室に初参加してきました。その初回講座の様子と着付けポイントを備忘録としてレポートしたいと思います。(写真NGだったので文字だけです)
着物が着れるのに着付け講座に参加した理由
着物は独学で着れるようになったけど帯結びができないし、着物も独学だから着付けがグズグズで着崩れるので基礎も学びたかったんです。
そして決め手になったのは価格。着付け教室って数ヶ月通って数万円〜数十万円するのが普通なのですが、なんと5回講座で数千円と破格だったのです。
というわけで、以下の理由で参加を決意したのでした。
- 帯結びができるようになりたい
- 着崩れない着付け方が知りたい
- 受講料が格安
初心者向けではない講座内容にちょっとびっくり
参加したのは初心者向けの着付け講座。たった5回じゃ初回は着物類の説明や、肌着と長襦袢と着物の着方くらいで終わるかなとか思っていたんです。着付け教室ではそういうこともあるようだったので。
まさか帯結びは最後の回だけとかだったらどうしよう、なんて思ってました。でも、良い意味で裏切られました。
初回当日、教室に到着するなり
と思いました。だってタオルも2本持ってこいって書いてあったし。でも補正、肌着、長襦袢の講義はすっとばしていきなり長襦袢を着てる状態から講座がスタートしたのです。
参加者は12名ほどいましたが、中には名古屋帯と袋帯の区別がつかない方や、長襦袢に襟芯を入れずに持参した方(持参物に襟芯が書かれていなかったので初心者ならわからないのも当然。不親切だと思います)、肌着って何?という方も数名いました。初心者向けの講座なので当然です。私も最初はそうでしたから。
とりあえず長襦袢まではみんな自力で着たんですが、先生は
とおっしゃいます。ならその正しい着方をレクチャーしていただきたいのですが…まぁ時間の都合もあるのでしょうし、最終日までにおいおい教えていただけるのかもしれません。
着物の着方 覚え書き
というわけで、着物を羽織るところからレクチャーしていただきました。
- 着物を羽織ったら、最初に上前の衽線が右足の親指と人差し指の間になるように調整するのがポイント。そして下前→上前と合わせて腰紐でウエストあたりをしっかり結びます。
- 身八つ口から手を入れて背中→前とおはしょりを整えます。下腹部のおはしょりが1枚になるよう、下前のおはしょりを襟合わせの中で持ち上げて折ります。おはしょりが長い人は伊達締めの前に腰紐でおはしょり全体を持ち上げて結び、伊達締めを締めます。
- 背中心がまっすぐになるように整えます。身幅がだぶつくので、右側のだぶつきは体の前面の右側(上前と下前が合わさっているところ)に送り込みます。左側のだぶつきは言われませんでしたが、左脇を折り込むのだと思います。
ここまでが着物です。もうすでに教室内は阿鼻叫喚。でも先生は3人もいらっしゃったので、わからない人は丁寧に教えてもらっていました。
名古屋帯の結び方
このお教室では時計回りの巻き方で教えていただきました。関西巻きと言ったりするようです。
- 手先を輪が左になるように右手に縦に持ち、端を5センチくらい手前に折り返します。そのまま右手を右に倒して横に持ちます。このとき輪が向こう側になり、5センチ折った部分が上にきます。折りたたんだところから1メートル弱のところを左手で持ち、そのまま右手と合わせて右手で持ちます。(50センチくらいの輪っかが右手から垂れ下がってる状態)
- 帯をまたぎ、右手に持った手先の輪っかを体の後ろに持っていきます。左手で輪っかの根元の左側を持ち、輪っかを開いて背中から両脇を通り、体の前に持ってきます。
- 右手の5センチ折った部分が左胸の少し先になるように帯の高さに当てたら、長い方を一巻きします。(5センチ折った部分は体の内側に向かって折られている状態)
- 一巻きした時点で、5センチに折った山折り部分に左手の指を入れて引っかけ、右手でタレ部分を持ってギュッと締めます。
- そしてもう一巻きします。(二巻目)
- 5センチ折った手先を帯の中から出して、背中の中心まで引き出します。
- 右手でその手先の根元をにぎりこみ、左手でもう一方のタレの根元を柄を外側に三つ折りしてにぎりこみます。このとき、手先が上、タレが下にきているので、ねじって手先を下、タレを上にします。
- 仮紐で、タレのねじった部分のすぐ上(帯枕をその真上に後で載せます)を押さえて体の正面でしっかり結びます。
- 手先を体の前に持ってきて、洗濯バサミで巻いてある帯に留めます。
- 帯揚げをかけた帯枕を右手で後ろに持ってきて、お尻のあたりでタレと一緒につかみ、先程ねじった山の上に載せます。(これがつらい!体を反らすのが楽という人と、お辞儀をすると楽という人がいます)
- 帯枕の紐を体の前で、正面を外して結びます。帯揚げもこの時点では適当に結んでおきます。
- ねじった部分を押さえていた仮紐をほどき、今度はお太鼓の下線を決めるのに使います。仮紐をタレと体の間に渡し、お太鼓の下線に合わせます。お太鼓の下線は、体に巻いた帯の下線と同じ高さです。
- タレをお太鼓の下線で右手で山折りします。(仮紐ごと)
- 余ったタレを、お太鼓の内側に左手でたくし上げていきます。タレ先が人差し指一本分よりちょっと長いあたりで止めて、お太鼓の下線を仮紐で留めて体の前でしっかり結びます。
- 体の前で洗濯バサミで留めていた手先を、お太鼓の中に入れます。そのとき、たくし上げたタレとお太鼓の間に入れます。
- 帯締めを結びます。帯締めは体の正面で、左が上になるようにまず結び、上(右)に来た方を輪っかにして真ん中を指で押さえます。
- 下(左)に来ていた帯締めの端を真上に折り上げ、その先っちょを輪っかに上から入れます。そのまま締めて形を整えます。
- 帯締めの両端は、帯に結んである帯締めの上に重なるように沿わせ、体の脇で上から差し込んだあとに下から差し込み、房が上向きになるようにします。
- お太鼓の下線を決めていた仮紐を外します。
- 帯揚げを右側のほうから整えます。二つ折り→さらに三つ折りして、適当に襟に入れ、左側も同じように整えます。
- 左側を上になるように一回結んだら、下になったほうを少し下に引きます。すると結び目が隠れてきれいな面が上に出るのでその状態でさらに一回結びます。
- 帯揚げの端を帯の中に押し込み、全体的に軽く帯に押し込みます。
初回なのに3回も帯結び練習できました
結局、ざーっと最後までレクチャーというか実践が終わり、残り時間は各自練習とのことで、私は3回も帯結びの練習ができました。
募集のポスターで謳ってた初心者向けではなかったですが、結果的に帯結びを中心に習いたい私にとってはちょうどいい進度でした。申し込んでよかったです。
でも、着物一式持ち歩くの重すぎて肩が外れそう!なので次回は着物一式を着てから参加しようと思います。おかげさまで最終回までには帯結びまで身に付けられそうです。やっぱり着物って楽しい。