ワーママのつぶやき

もううんざり・・・ワーカホリックの働き方改革への反発

過去に死ぬほど残業した人の残業規制をはじめとした働き方改革への反発の記事を読みました。

たらこ
たらこ
またか・・・「俺たちの時代は」って家庭を顧みずに残業しまくった昔話か。

と思ったのですが、この人私とあまり年は違わないのですね。まぁ同じ世代でもそういう人はいます。

ここが変だよ、日本の「働き方改革」: 「働かない」ことばかり注目されている日本は大丈夫か?

残業しまくった過去が自慢な官僚時代

著者は元官僚の方で、特に忙しい通産省出身とのこと。その当時のことをこのように振り返っています。

通商産業省は別名“通常(つうじょう)残業省(ざんぎょうしょう)”と呼ばれており、入省10年目くらいまでは終電で帰宅できれば良いほうであり、深夜1時、2時まで働くことは当たり前の毎日だった。自分自身も、若いうちに頑張らなければ実力のある官僚になれないという気持ちが一杯で、そのことに違和感を持ったことはなかった

とてもまじめにお仕事に取り組んでいらっしゃったようです。

自分よりも20年以上も社会経験のある人たちと対等に議論するのだから、失礼のないように自分は2倍も3倍も頑張らなければならないと気を引き締めて職務に取り組んでいたことを記憶している。

まぁここまではいいです。役人の方がまじめに働いてくれるのは国民にとっては良いことですし。(いいのか?)

残業規制が日本企業弱化の原因?

ただ、このへんから怪しくなってきます。

最近は残業規制が厳しくなってしまったため、彼のような熱血漢のエンジニアが会社で思い切って仕事ができなくなっており、そういう人たちは仕事ではなく趣味に没頭する傾向が強まっていると聞いた。

このような傾向が要因となっているのかもしれないが、今では世界をけん引するグローバル企業といえば、Google、Amazon、Facebook、Appleなどの米国ITジャイアントや、バイドゥ、アリババ、テンセントなどの中国ITジャイアントが代名詞になってしまっている

いやいや違うでしょ、残業規制が言われ始めたのなんてここ数年で、もっと前から日本企業の力は落ちてますから。つまり日本経済衰退の原因は残業規制をはじめとした働き方改革のせいではないですよー!!!

なぜ「働かない」ことを重視したせいで日本企業が弱くなったと思ったのか、不思議でなりません。

日本企業の弱化は働き方改革のせいではない

戦後、世の中のお父さんたちが家庭を顧みずに残業しまくって働いた結果、日本企業が台頭したのは事実です。

そしてここ30年で日本企業が時価総額ランキング上位から消えたのも事実です。でもこの人は2つの大きな勘違いをしています。

1つ目の勘違いは、日本企業が弱化したのは日本人が「働かなくなった」せいではないこと。事実、フルタイムの総労働時間はほとんど減っていません。企業任せではいつまでたっても労働時間が減らないし有給消化もしないから、ようやく今年に入ってから国が旗を振って法規制を始めたわけです。

2つ目の勘違いは、「働かない」ことを重視している本当の理由を理解できていないこと。長時間労働が当たり前の環境というのは、別の言い方をすると「未婚の男女」と「専業主婦の妻を持つ男性」以外は働きづらい環境です。

少子化が続く日本では労働人口が先細りしています。「未婚の男女」と「専業主婦の妻を持つ男性」はどんどん減っていき、日本経済は衰退確実なのです。その衰退を少しでも食い止めるため、政府は「女性も子ども生んでも働け~!」とか「高齢者もモチベーション高く長い期間働け~」とか言ってるわけです。

そして、女性や高齢者にも働いてもらうためには長時間労働が前提の環境は改善していかなくてはいけないのです。高度経済成長期、子育てや介護は主に妻の仕事でした。それを夫婦で協力しあって分担しなくてはいけないのですから、長時間労働はしないようにしていかなくてはいけないのです。

結局何が言いたいのか

著者は、記事の後半で「モーレツ社員」の時代に戻るべきだと主張しているわけではないと明記しています。

こう書くと、では、高度成長期のようにがむしゃらに働く「モーレツ社員」の時代に戻るべきだと主張しているのかと思う人もいるかもしれない。いや、そうではない。

(中略)詳しくは連載第3回で述べたいと思うが、Googleのオフィス「Google Campus」のように、いつでも仕事に没頭できるよう、会社で常時ちゃんとした食事をとることができて、さまざまな新しいアイデアを具現化できるような新しい働き方を実現できる制度や環境の整備が必要だろう。

この著者の言いたいことが、この第1回の記事だけではよくわかりませんでした。「いつでも仕事に没頭できるよう、会社で常時ちゃんとした食事をとることができて」というくだりを見る限りでは、会社に住むくらいの長時間労働を理想としているようです。

多様な人種・多様な価値観を持った人たちが自由度を持ちながら楽しく働けることが前提にはなるが、頑張って働く、世界と競争する、頑張った人が稼ぎを得られるという資本主義の原理を再認識すべきではないだろうか。

でも一方で、「多様な人種・多様な価値観を持った人たちが自由度を持ちながら楽しく働ける」とはどういうことか。残業しまくりな会社で多様な人種(つまり外国人)が働きたいと思うんだろうか。思わないと思うけどな~

第2回以降も読んでみたいなとは思いました。

ここが変だよ、日本の「働き方改革」: 「働かない」ことばかり注目されている日本は大丈夫か?

タイムリーなことに、今『残業学』の本を読んでいます。面白いです。

残業学 明日からどう働くか、どう働いてもらうのか? (光文社新書)

残業学 明日からどう働くか、どう働いてもらうのか? (光文社新書)

中原淳, パーソル総合研究所
994円(11/21 12:34時点)
Amazonの情報を掲載しています
こんな記事もおすすめ