たらこは昔から家族に「いびきがうるさい」と言われていました。でも、たらこの家族は全員いびきがうるさいので、そんなものなのかなと思ってました。
しかしオットから、「寝てるときに呼吸が止まってるよ」と何度も言われて、そうか、ただいびきがうるさいだけじゃなくて無呼吸症候群(SAS)なんだな、どうしよう…と思いました。
CPAPだけは嫌だ!
オットから指摘され続けて5年、ずっと無視してきました。なぜならば、無呼吸症候群の根本的な治療法はなく、主な治療法は寝るときにCPAP(シーパップ)というクソダサいでかいマスクで空気を送り込む装置を、一生頭に装着し続けることが必要だからです。
CPAPとはこういう装置です。ダサいよ・・・
こんなのを着けて寝るんじゃ、色気もあったものじゃない・・・と知らないふりをしてきたのですが、今年、とうとう観念しました。
子どものために長生きしようと思ったのが治療開始のきっかけ
若いころは色々と無茶をしていたたらこも、ムスメが生まれてからは自分自身の健康寿命を意識するようになってきました。
糖質制限を始めたのは家族に糖尿病が多かったため、自分自身も糖尿病予備軍だろうと思ったからです。ムスメのためにも健康で長生きしたいと思い、糖質制限をスタートしました。
突然死のリスクが高まるという無呼吸症候群も、無視し続けるのは怖いなと思い始めました。年齢的にも色気よりも残された寿命のほうが気になるお年頃になってきたこともあり、今年こそは診察してもらおうと思っていました。
ちょうど咳が止まらず喘息になりかけていた時期があり、呼吸器科に通うことになったので、ちょうどよい機会だと思って先生に相談。咳が治ってからさっそく在宅で検査することになりました。
無呼吸症候群の検査は自宅でもできる
病院によっては入院しなくてはいけないようですが、たらこの病院では自宅でできる検査をしてくれました。まずは睡眠中に指先で血中酸素量を計る簡易検査をします。これで治療が必要な程度なのかがわかります。
その簡易検査でそこそこの値が出たので、今度はセンサーを上半身にいくつかつけて寝て、どの程度重度の睡眠時無呼吸症候群なのかを調べました。結果は中程度の睡眠時無呼吸症候群とのこと。数回呼吸が止まっているそうです。わかってはいたものの、ちょっとショックでした。
ちなみに検査費用はたしか2回で2万円しなかったかな。入院検査となると数万円かかるようです。
泣く泣くCPAPをスタート
CPAPだけは嫌だと診療の初めから先生に訴えていたたらこ。
と言われ、泣く泣くCPAP治療をスタートしました。
一応CPAPにもいくつか種類がありました。たらこはムスメが乗っかってきたりすることもあるので、ホースが顔面ではなく頭上から出ているタイプのフィリップスの製品にしました。
フィリップス、睡眠時無呼吸治療装置(CPAP)を中心とした 治療サポートソリューション「ドリームファミリー」を発売
レンタル代は月5000円ほど。それにプラスして、毎月病院で診察が必要です。たらこは会社の近くの病院にしたので、昼休みに通院すればよいのでラクでした。
治療を決めてからすぐにフィリップスの担当者と時間を合わせ、使い方の説明を病院で受けました。その翌日には自宅にCPAPが届き、使用開始です。
ポンプ音がうるさいし空気が冷たくて眠れない・・・
意を決して始めたCPAP治療ですが、結論から言うと2~3週間で断念しました。
たらこが選んだCPAPは顔~頭をホースがぐるっと回って、鼻の穴に合わせて開いている空気穴から空気が送り込まれるという仕組みです。
何がダメだったかというと、一番大きかったのはシュコー、シュコー、というポンプ音がうるさすぎて、たらこもムスメも眠れないこと。普段なら布団に入ってから10分もしないうちに寝ているのに、1時間経ってもムスメもおめめパッチリ。ただでさえ22時過ぎにベッドインなのに完全な寝不足です。
その上エアコンで冷えた空気が結構な圧で送り込まれるので、鼻の穴が寒くて痛くて目が覚めます。トイレに行って、もう一度CPAPをつけると音がうるさくて眠れない・・・それまでは睡眠時無呼吸症候群でも日中に眠いと感じたことはなかったのに、CPAP治療を始めたことで日中の眠気を感じるようになりました。
それに空気が送り込まれる感じがすごく苦しくて起きることもありました。それが気になりだしてからはもう装着して眠ることができなくなり、先生に「もうダメです・・・」と言いました。頑張れたのは2~3週間くらいでしょうか。
マウスピース治療を開始
代替治療として、マウスピースでの治療を開始することになりました。ただ、先生曰くCPAPは確実な治療法だけれどもマウスピースは効かない人もいるとのこと。効くことを祈って治療に臨みました。
マウスピースは紹介された歯科医院で作ります。まだ睡眠時無呼吸症候群用のマウスピースを作れる歯科医院は多くないようです。マウスピースはただ市販のものをはめればよいというわけではなく、下あごが前に出るように(受け口になるように)調整して作ったマウスピースを装着して眠ります。
こういうので自分で作るのなら、ちょっと受け口になるように作らないと意味がなさそうです。ただし治療中に顎関節症になったりすることもあるので、やはりちゃんとお医者さんに作ってもらったほうが良いと思います。
歯科医院では1回目に型を取り、2回目に受け口になるように上下のマウスピースを固定します。そのまま1週間ほど使ってみて、3回目に問題がないかを確認して、大丈夫ならば歯科医院での治療はいったん終了です。マウスピースの寿命は6カ月~1年なので、茶色くなってきたら新しく作り直しです。
その後、マウスピースを装着し続けて慣れてきたら最初の呼吸器科で睡眠時無呼吸症候群の検査を行い、マウスピース治療の効果が出ているかをチェックします。効果が出ていればこの治療法を続け、もし効果が出ていない場合は下あごをもっと前に出すように調整します。
マウスピースの装着感
マウスピースも、まったく不快感がないかというとそうではありません。たらこの場合は寝ている間に歯を食いしばっているらしく、前歯が痛くなります。でも我慢できないほどではないので許容範囲です。
また、装着していると話しづらいです。ムスメは気にせず話しかけてくるのでちょっと困ります。
ひとつ心配しているのは、続けているうちに受け口になるのではないかということです。睡眠中だけとはいえ歯列矯正と似たようなことをしているので、たぶん下あごが出てくるのだろうなと思います。これは嫌だ・・・
とはいえ、マウスピースで治療ができるなら、CPAPに比べかなり負担は少なくて済みます。(少なくともたらこにとっては)全員が効くわけではないそうなので心配ですが、ちゃんと効果がありますように・・・そして早く根本的な治療が見つかりますように。