時間管理をする上で重要な考え方があります。それは、アポイントメントとタスクを区別して考えることです。
「アポイントメント」
会議や外出など、あらかじめ時刻が決まっている仕事。対応時間の決まっている電話応対もアポイントメントです。
「タスク」
作業する時刻が決まっていない仕事。書類や資料作成、誰かに何かを確認するなど、締切日は決まっていても、その作業をする時刻は個人が自由に決められる仕事を指します。
日本人はアポイントメント管理は得意だけどタスク管理は苦手
私たちは小学生の頃から時間割に従って行動することを学んできたので、アポイントメントをこなすことは得意です。会社でもOutlookの予定表を使ってアポイントメントの管理をしている方も多いでしょう。
しかしタスクの管理方法については、「夏休みの宿題は計画的にやりましょう」といった漠然とした指示をされるだけで、正しいタスク管理の方法を教わってこなかったのです。
ToDoリストの限界
アポイントメントが発生したら、それをスケジュールに組み込めばいいですね。ではタスクが生まれたらどうしますか?そのままToDoリストに追加している方も多いのではないでしょうか。
ToDoリストはやることが一覧できるので便利なのですが、そのリストにものすごく先にやる仕事が入り込んでしまっていると、それに埋もれて今やらなくてはいけない仕事が見えにくくなるのが難点です。
それに、いつまでもリストに消えないタスクが残っているのも気分のよいものではありません。
タスク管理のコツ
たとえば「金曜日までに顧客に提出する提案書をPowerPointで作成する」というタスクが生まれたら、すぐに「それを実行する日」を決めてから、日付ごとのToDoリストに入れましょう。
実行日を決めることによって、「なんとなくやらなきゃいけないことがたくさんあるけど、終わるのかがわからない不安」から解放されます。
すでにToDoリストをつけている方は、日付ごとに作るようにしてみてください。Outlookのタスク管理機能を使うと、実行日や締切日も管理できるので便利ですよ。
緊急のアポイントメントやタスクに備えて余裕を持っておく
仕事は往々にして想定外のアポイントメント(時刻が指定されている仕事)やタスク(時刻は指定されていないが締切は決まっている仕事)が降ってくるものです。
そんなとき、前もって組んでおいたアポイントメントとタスクで一日の時間を使い切ってしまうようだと、新しいアポイントメントやタスクに押されて仕事は時間どおりに終わりません。余裕を持って管理しておくことが大切です。
また、新しいアポイントメントやタスクが降ってきたら、それを受けることによる影響を考えます。たとえば他のアポイントメントやタスクを別の日にずらすだけで済むのか、残業しないとこなせなくなるのかを判断します。
タスクのアポイントメント化はほどほどに
どうしても締切に間に合わせなくてはいけないタスクや定期的に必ず行うタスクなどについては、作業時間を確保するためにアポイントメント化する、つまり作業時間をスケジュールに入れてしまうことも時には有効です。
しかしアポイントメント化することのデメリットもあります。タスクのアポイントメント化は自分とのアポイントメント。後ろにずらすなど簡単に調整できてしまうだけに、後回しにされがちです。
それに後回しにしてしまった場合、またそのアポイントメントを取り直す手間が発生します。これはタスクのままにしていたら起きない手間です。
したがって、タスクのアポイントメント化は基本的にはおすすめしません。重要なタスクや、定期的なタスクぐらいにとどめておきましょう。
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