偏見って怖い
私はTVを見ない(というか家にTVがない)のでキングコングの西野亮寛さんという方がどのような方なのかも知りませんでした。
そんな彼が『革命のファンファーレ』を出したころ、何かで聞いたり見たりしたことがありますが、そのとき私が思ったのは
と思ってしまい、そのままにしていました。お笑い自体に興味がなかったので。
でもその偏見と判断は間違っていたことが今回よくわかりました。ニュースになってるものは、ちょっと見てみてもいいかもしれないと思いました。
今日はその『革命のファンファーレ』についてのお話。
西野亮寛さんとは?
西野亮寛さんという方はキングコングというお笑いコンビの芸人さんです。
Wikipediaによると、
絵画を特技としており、美術教師に美術大学進学を勧められたが、小さい頃からお笑い芸人になることしか考えていなかった。 (Wikipedia)
とのことで、絵がお得意だったようです。
そして絵本作家として『えんとつ町のプペル』を4年半かけて制作。絵本であるにもかかわらず完全分業制であること、そしてクラウドファンディングで多くの支持を得たことから話題を集めましたが、なんとその絵本の内容をWEB上で無料公開したのです。
そんな西野亮寛さんのお金と広告の「戦略」が惜しみなく詰まった本、それが『革命のファンファーレ』です。
私たちにも役立つヒントが満載だったのでご紹介します。
言いたいことを言える環境を作る
西野亮寛さんは番組収録中に帰ってしまったことがあるそうです。それはディレクターから何度も失礼な質問をされたことに対する抗議でした。
信頼関係のない「イジリ」はイジメだ。
と西野さんは言います。その通り。同じことを言われても、誰に言われたかによってその行為はいじめになりうるのです。
この番組収録中に、タレントの西川史子さんが「私ならそのくらいのことでは帰らない」と批判したことに対しては本の中でこう反論しています。
「帰らないんじゃなくて、帰れないんじゃないの?そもそも、帰るという選択肢を持っていないのに、『私なら残ります』なんて言ってんじゃないよ」
たしかにTV出演のギャラで生活しているタレントにとっては、帰りますなんて言えませんよね。
「嘘をつかない」ということは、「自分の意思を明確に表明する」ということだ。
自分の意思を明確に表明する為には、意思を明確に表明できる環境を作っておく必要がある。
この言葉、私には刺さりました。私をはじめ、会社員の多くは意思を明確に表明できる環境を作れていないのではないか。そう思ったのです。
TV業界の大御所、テリー伊藤さんが批判したことに対しても反論しています。
テリー伊藤さんが「(中略)
それは西野とディレクター2人の問題だから、 そのディレクターに直接言えばいい」とおっしゃった時は、「 そんなこと言い出したら、 タレントの不倫に関して本人に直接言わずに、 欠席裁判でアレやコレやと論じている、 テリー伊藤さんをはじめとした世界中のコメンテーターは全滅じゃ ないですか?」と直接ご本人にぶつけてみた。
正論すぎて笑えます。でもそんなことを大御所に言えるのは「勇気があるから」ではなくて、
大御所に自分の意見ををぶつけたら収入(オンラインサロンの会員)が増えることが分かっているから言える
と正直に告白しているところに大胆さを感じました。
アンチを手放してはならない
誰でもアンチや批判は怖いはず。でも西野さんは違います。
批判コメントは、片っ端からリツイート&シェア。批判する人達に、「同じ声を上げている仲間がいますよー」とお知らせして批判派で徒党を組ませ、勢いに乗らせる。
議論ほどコストパフォーマンスの良い宣伝は無いし、こちらはオセロで言うところの角を押さえているので、たくさん取らせるだけ取らせておいて、最後に一つだけ角に石を置けばいい。
どうですこの戦略的な思考。目から鱗が落ちました。批判だってうまく使えば自分の商品を売ることにつながるのですね。へこんでる場合じゃないようです。
絵本の内容を無料で全公開したことで売り上げを増やしたカラクリ
これは相当勇気のいる決断だったと思いますが、結果として絵本の売り上げは増えたのだそうです。
なぜならば絵本の購入決定者である母親は、2千円の絵本の購入に失敗したくないと思うので、必ず内容を確かめてから買ったり、自分自身が小さいころに読んでいた絵本を買うから。
そして無料公開といっても縦スクロールにしたことで、内容の確認はできるけれど、読み聞かせという絵本購入の目的を達成させづらくしたそうです。つまり、良い内容だと確認はできるけれど、わが子には読み聞かせしづらい。なのでポチっと購入させるしかけにしたということです。
人が時間やお金を割いて、その場に足を運ぶ動機は、いつだって「確認作業」で、つまりネタバレしているモノにしか反応していない
自分自身を振り返ってみると、たしかにそうだと思いました。時間とお金をかけるなら失敗したくないですから。
ビジネス書だって無料公開すれば売れる
ビジネス書でも無料公開の出し場所を散らせば売り上げが伸びる
無料公開の出し場所を散らしてしまえば、情報を回収するコストよりも、本を買うコストの方が安いから、ビジネス書ですら無料公開した方が売り上げが上がる。
といいます。というわけで、私も自分の著書『ワーママ時短術88』を何らかの形で一部無料公開しようかなと思っています。一部ですけど。(ただし9/24火曜日15:59まで無料キャンペーン中なので、今が一番お得です。)
専門的な話になりますが、1割以上の内容をAmazonのプラットフォーム以外で公開するためには、Kindle Unlimitedで読み放題対象としたり、現在やっているような無料キャンペーンができなくなります。また、入る印税も大幅に減ります。
もともと私の本はKindle Unlimitedの読み放題として読まれることはほとんどなく、無料キャンペーン中にダウンロードいただいたり、お金を払って通常購入してくださる方が99%でした。おそらく読者の方はKindle Unlimited会員の方が少ないのだと思います。
月額980円で読み放題なので、Kindle Unlimitedいいんですけどね。今なら30日間無料体験できます。
印税も減りますがその分手に届く方の数が増えれば、あまり大きなダメージはないかなと思っています。下の西野さんの言葉に刺激を受けて、行動することにしました。
私にはもう、情報があるから。
ちょっと時間はかかるかもしれませんが、見守っていてください。
行動しない人間は、自分が行動しない理由を、すぐに「勇気」のせいにする。
「勇気がないから一方踏み出せない」と言う。これは違う。大間違いだ。
行動することに、勇気は必要ない。子供の頃に1人で乗れなかった電車に、今、あなたが1人で乗れるようになったのは、あなたが勇気を手に入れたからではない。「電車の乗り方」と言う情報を手に入れたからだ。