わが家はムスメ一人だけのひとりっ子です。
本当は2人目が欲しいですが、事情があって妊娠は叶いそうにありません。つらいと死ぬほど悩んだ時期もありましたが、悩んでも解決しないことがわかって諦めました。
養子縁組や養育里親という可能性
でも、私個人としては、2人目を育てることを諦めたわけではありません。
日本には養子縁組や養育里親という制度があります。これらの制度を使えば、親のいない、もしくは親が育てることができない子を育てることができます。
ざっくりいうと養子縁組は戸籍上も自分の子どもにする制度、養育里親は戸籍上は生みの親のままで、子どもを預かって育てる制度です。
子どもを育てられないにもかかわらず子どもと戸籍上の縁を切るのを嫌がる生みの親が多いらしく、養育里親が必要な子どもは多いのだそう。
でも、育ての親としては逆に養子縁組をして戸籍上も自分の子として育てられる子どもを希望するケースが多く、結果として一般の家庭で育つことができない子どもがたくさんいます。
ちなみに養育里親は毎月養育費が支給されます。
養子を考えたきっかけ
私としては養子縁組だろうが養育里親だろうが大した差はないと考えています。
その子の生みの親は別にいて、育ての親がまた別にいるという点は同じです。戸籍なんて大した問題じゃないと思うのです。そして血のつながりも。
学生時代、授業で「血縁」について議論をしていたときに、アメリカ人のクラスメートが怒り出したことがありました。
恥ずかしながらそれまでは養子やその家族を見たことがなかった私にとって、このできごとは衝撃的でした。
そしてそれは、「養子を迎え入れる」という選択肢が私の中に生まれた瞬間でもありました。
なぜ養子を迎え入れたいのか
なぜ養子を迎え入れたいのか。端的に言えば、2人目を育てたいからです。
でも別に生みの親が他にいる子でも普通に愛せると思っているし、自分が産む必要もないし(それにそもそも産めそうにないし)、どうせなら温かい家庭が必要な子にそれを提供したいと思っています。
キャリアをまた産休育休で中断する必要もないですしね。(これは後付けだけど)
施設で育った子は、飛行機や新幹線に乗って家族旅行に行ったり、家族でマクドナルドに行って注文したり、テレビのチャンネルの争奪戦をしたり、習い事をしたり、親が目の前で数人分の料理をするのを見たりといった、一般の家庭で育った子どもなら普通に経験していることを、施設を出るまでほとんど経験できないと聞きました。
そんな状態で18歳になって施設を出て、いきなり社会に放り出されたら、苦労をするに決まっています。そんな苦労をする子を一人でも世の中から減らせたら、私の人生も意味のあるものになるのではないかと思うのです。
私は、養子を迎えることは、そんなに大げさに考えることでもないと思っています。その子の一生を左右することという意味ではもちろんおおごとですが、特別なことではないという意味です。
昔の日本では親が亡くなることも多かった。近所や親せきが親のいない子を引き取って育てていたんです。それが昔は日常的にあったのに、ここ数十年で減ったというだけ。血のつながりなんてそんなに大した問題ではないと思うのです。
養子を迎え入れるには家族の理解が不可欠
2人目を自分で産むという可能性が非常に低い現実がある今、養子という選択肢は私にとってとても有力です。
育休中に最寄りの児童相談所に話を聞きに行ったことがありました。担当の方は、ぜひ前向きに考えてほしい、とおっしゃっていました。共働きで保育園に預けても大丈夫、説明会を定期的に開催しているので、一度配偶者と来てほしい、と。
死ぬほど考えて、意を決して、言葉も選びながら、オットに相談してみました。
オットの返事はNOでした。わが子のようには愛せない・かわいがれないと思うし、それがかわいそうだ、と。
目の前が真っ暗になり、苦しかった。でも、それが日本人の普通の感覚なんだろうなとも思います。
私は、数年ごしでオットに理解してもらうことに決めました。
第一歩は娘のバイアスを消すこと
オットの理解はまだ時間がかかると思われますが、まずはムスメのバイアスを取り外すことを試みてみました。
」
ムスメは初耳というような反応でした。シンデレラや白雪姫などの物語では「継母」は悪者扱いされているので、継母という言葉は使わないで説明するようにしました。(お話の中に悪い継母が出るたびに「別に継母だからいじわるなわけじゃないんだよ」と説明しているのですが)
子どもは真っ白なキャンバスのようなもの。それを黒く塗るのも赤く塗るのも大人次第。とりあえずムスメには「ママが産んだ赤ちゃんじゃなくてもいもうとになれるんだ」ということはわかってもらえたと思うので、養子を迎え入れる第一歩を踏み出しました。
数年後、進展できるでしょうか。したいなぁ。